月灯りふんわり落ちてくる夜


 カーテンを開け放した部屋の窓から、ふんわりとしたミルク色の月灯りが差し込んでくる。

 あたしはぼんやりとその月灯りを眺めていた。

 こんな夜は遊馬のことばかり考えてしまう。
 
 尽きること無く。

 立ち上がって窓を開けると、春の夜風が頬を撫でていく。

 まるで遊馬の手のひらみたいに、春の夜風は優しくて。

 好き。

 大好き。

 切ない言葉を、何度も何度も繰り返して呟いてみる。

 毎日会っているのに、今すぐにでも会いたくて。

 風にのせて伝えたい。
 
 そんな想いを一人抱きしめたまま、また月を眺める。

 月灯りふんわり落ちてくる夜は

 あなたと二人きり

 海の果てへと続く月の路を歩きたい。