月が見てる



 カーテンを開け放した窓から射し込んでくる青白い月灯りを、あたしは遊馬に抱かれながら見つめていた。

 触れている遊馬の身体は火傷しそうなくらい熱いのに、青白い月灯りが、まるで冷たい陶器の様に遊馬の身体を照らしていた。

「……野明?」

 遊馬が不思議そうにあたしの顔を覗き込む。

「……月が……」

「え?」

「月があたし達を見てる……」

 

 誰も知らないあたし達の秘め事を月が見つめている。 



 遊馬は何も言わない。



 あたし達は月に見つめられたまま深く深く口付けを交わす。

 

 遊馬の手が

 

 遊馬の口びるが

 

 あたしを狂わせる。



 

 月灯りに揺れて。 

 

 

 あたし達は堕ちる。