抱きしめて



 夢を見た。

 ふっと目が覚めて、暗闇をぼんやりと見つめる。

 途端に不安に押し潰されそうになる。

 

 暗闇の中、手を伸ばす。

 そこにはぐっすりと眠っている遊馬。



 何も言わずに遊馬の腕にしがみつく。



 目覚めた遊馬が、寝返りをうった。



「……どうした?」

「……夢を見たの……」

 あたしは、しがみついた腕に力を込めた。

「ねぇ、遊馬……」

「ん……?」

「……キスして……」

 遊馬の口びるが額に触れる。

「……髪を撫でて……」

 遊馬の手がゆっくりと、梳くように髪の毛を撫でていく。



 何もいらない。

 遊馬さえそばにいてくれればいい。



「……遊馬……」



 あなたの力強い腕で

 抱きしめて……