【お暑いのがお好き?】
「ふぃ〜、あちぃ…」
汗を拭いながら、隊員室の扉を開けると、
「おう!お疲れ〜」
涼しげな顔をした遊馬が見えた。
「…なんか、むかつく」
「なんだよ」
私の言葉に反応して、あからさまに不機嫌の表情へと変わる。
「だって…」
私もそれに釣られて膨れっ面になると
「折角、野明が訓練で疲れた身体を癒したいだろうな〜〜〜っと思って、俺がいいもの用意しておいたのにな…」
「え?」
"いいもの"という言葉に反応してしまう自分がなんとも情けない。
「でも野明は、俺がむかつんだろ?」
「え、え!」
「そーなんだろ?」
「…ごめんなさい」
「あれ?謝るのかよ。ほ〜自分が悪いって認めるんだな?」
「そーだよっ!私が勝手に一人に遊馬の涼しそうにしてるのを見て僻みましたっ!!!」
「素直でよろしい」
その言葉と同時に遊馬が席を立って、何かを取り出してきた。
「ひゃあ!」
頬に冷たい感触がして、そのモノを手に取って見る。
「あ…これ……」
「や、やるよっ////」
「遊馬…」
私の予想外の反応に、戸惑っているのか…遊馬はそっぽを向いていた。
「遊馬?」
「な、なんだよ」
「一緒に食べようよ」
「は?」
「ね?一緒に食べよ。アイス♪」
暑い夏。
遊馬に貰ったアイスは、私の身体を冷やしてくれた。
でも…心は暑くなったみたい。
=了=
20050801 Novel 徳子様