たいへんよくできました
『ん・・・あれ、遊馬ぁ?』
いつもよりちょっと遅く起きた休日の朝。
隣で眠っているはずの遊馬の気配がないのに気付き、
私はあわてて飛び起きる。
それに気付いた遊馬が、
『野明、起きたのか?』
その声をたどっていくと・・・Tシャツに短パン姿の遊馬が
フライパン片手に台所にに立っていた。
『何してるの?』
『何って・・・朝飯作ってるに決まってるだろ?』
二課にいた時は食事当番があったから、
台所に立つ遊馬の姿もよく見たけれど。
付き合いだしてからは私が作る横でお皿を出したり、
後片付けを引き受けてくれたりと『裏方さん』に回っていて・・・。
『なんか・・・そういう遊馬見るのって久しぶり』
『いつも野明にまかせきりだろ?たまにはゆっくり寝かせてやりたかったしな』
照れ笑いする遊馬の目があんまりやさしいから、私も照れてしまう。
『さあ、できあがり。野明、皿出してくれるか?』
ハムエッグとキャベツとキュウリのサラダ、トーストとホットコーヒー。
メニューはシンプルだけど『遊馬が作ってくれた』、
それだけで私にとって何より幸せなごちそう。
お皿を並べたテーブルに、二人向き合って食べ始める。
『味・・・どうだ?』
遊馬は私の反応が気になるらしい。
『おいしいよ』
『本当か?』
疑り深いのか、遊馬はまだ信じない。
そこで私は、遊馬に手招きして顔を近付けさせる。
『野明?』
不思議そうに私を見る遊馬の頬に軽くキスする。
『たいへんよくできました♪』
これからも・・・二人で『幸せなごはん』が食べられますように。
―終わり―