シャンプー



『あ・・・シャンプー持ってくるの忘れちゃった』


 週末は遊馬のアパートに『お泊り』する事が多くなって、
 いつもはそれなりに準備してくるんだけど・・・今回は失敗。
 そしたら遊馬が、

『俺のでよかったら使うか?』

 って言ってくれたから、
 今日はお言葉に甘えて貸してもらっちゃった。

 遊馬の後にお風呂使わせてもらって、いざシャンプー♪
 男物のシャンプーなんて初めて使うから、
 強いミントの香りに目がツンとした。

『あれ・・・遊馬の髪の香りと違う?』

 シャンプー本来の香りと遊馬の髪の香りってちょっと違う・・・。
 遊馬の髪の香りって、もう少し甘いような気がする。
 使う人によって香り方が違うのかな?

 私があんまりのんびりシャンプーしてたから、
 お風呂の外から遊馬に
『いつまで入ってるんだよ』
 って心配された。
 急いで上がらなきゃ!!



 パジャマを着て部屋に戻ると、
 遊馬は先にベッドにごろんと横になってうとうとしてる。

『遊馬〜風邪ひいちゃうよ』
 
 毛布をかけようと近づいたら、
 腕を引っ張られて私もベッドにごろん。

『俺のシャンプーどうだった?』

 まだ乾ききらない髪に顔を寄せてくる。

『目がツンとした・・・』

 私が正直に感想を告げると、遊馬に笑われた。

『男物のシャンプーはキツイからなあ・・・今度は忘れるなよ?』

『気をつけます・・・』

 私がおとなしく腕の中にいるので、
 遊馬はずっと私の髪の香りを確かめてる。

『同じシャンプーでも・・・野明が使うとちょっと違うかな?』

『・・・やっぱり遊馬もそう思う?』

 私はさっきお風呂で思った事を遊馬に話してみた。

『使う人それぞれの香りになるんじゃないか?・・・
 俺はやっぱりいつもの野明の香りがいいけどな』

 ちょっと照れたのか、遊馬は私に顔を見せないように抱き締めてくる。

『野明・・・明日一緒にシャンプー買いに行くか?』

『それってデートのお誘い?』

『今もデートしてるじゃん』

 そっか、なるほどね。
 ・・・それならちょっと、おねだりしてみようかな。

『遊馬・・・夢の中でもデートしてくれる?』


『もちろん・・・』


   ―終わり―