君に胸キュン


バレンタインが終わって1週間。


八王子工場に漂っていた「ふわふわ」した独特の浮かれモードも一段落した頃。


終業後の更衣室で聞こえてきた会話にドキッとした。

「開発の篠原さん、バレンタインに誰からもチョコ受け取らなかったんだって。」


「え〜!」


「チョコ渡そうとした全員に「彼女がいるから」って、丁重にお断りしたらしいよ。」


「もったいな〜い、彼女いたって貰うくらいいいのにね。」


「それより、彼女いるって初耳〜」


「どんな子なんだろね?」

・・・・・・「ここにいますよ〜」、とは言えなかった。

なんとなく仕事に支障が出そうで、八王子の皆さんには内緒にしてるんだ。


それより、遊馬が全員に「お断り」してた事にビックリした。


確かに・・・部屋にはそれらしい包みは見当たらなかったし(私があげたプレゼント以外)、特に話題にも出てこなかったけど。



その日の夜、遊馬にその話題を切り出すと、

「当然だろ?」

の一言で片付けられてしまった。


「え??」


「わかんねぇ?こういうのは野明からじゃなきゃ意味ないの。」


あの・・・・・・もしかして私、うぬぼれちゃっていいんでしょうか?

いいのかな?

そう思ったら、胸の奥が「キュン」と鳴った気がした。



おわり