頑張り屋な彼女
『世の中のOLさんってすごいよねぇ、あんなヒールで毎日通勤してるなんてさ。あたしに
は絶対無理だよ。』
パジャマに着替えた野明は、テレビに出ている人気モデルを見ながら感心してる。
月に一度の通称「本社詣で」(正式には開発状況の報告会)。
「テストパイロットの立場からの意見も聞きたい」とかで、今回初めて野明も参加する事
になった。
今日一日、着慣れないスーツと履き慣れないヒールのある靴でくたくたになったらしく、
ベッドに横になって脚をさすってる。
『足パンパンだよ〜明日も仕事なのにどうしよう・・・。』
『どれどれ・・・本当だ、随分張ってるなぁ。』
下心半分で始めたものの・・・野明の脚があまりに張っていたため、俺はいたって真面目
にマッサージしてやる。
『うわ〜気持ちいい!!ありがとう♪』
野明は、素直に喜んでくれるからやりがいあるんだよな。(喜怒哀楽がはっきりしてると
も言う)
『野明だってすごいだろ。篠原でもトップクラスのテストパイロットだぞ?操縦技術に加
えて体力勝負の仕事だ。日本中探してもそういないと思うぞ。』
『そうかなぁ?』
『そうなの。』
野明は自分の実力を過少評価しすぎるんだよな。
まぁ、その控えめさがいいとこなんだけど。
『う〜ん、遊馬にそう言ってもらえたら・・・それでいいような気がしてきたかも・・・
』
マッサージが効いてきたのか、うとうとしてきた野明に布団をかけてやる。
テレビと部屋の明かりを消して、俺も隣に潜り込んだ。
小さな身体で男でもキツイ仕事をこなす、日本一頑張り屋(俺的に)な恋人を抱き締めて
眠る事ができる自分は本当に「幸せ者」だと素直に思える。
『おやすみ・・・』
もし、夢の中でも野明が仕事してたら止めてやろう。『ゆっくり休め!!』って・・・