Candle

 遊馬の大きくて熱い手が、あたしの身体をすべるように撫でる。

 その度に、あたしの身体は熱を帯びて、とろとろと溶けていくような気がする。


 
 首筋。

 背中。

 腰。

 
 
 強く。  

 弱く。

 激しく。

 優しく。



「……あす、まの手……」

「ん?」

「……すごく……熱い……」

「野明の身体も、すごく熱い」

 耳元で囁きながら、でも遊馬の手は止まることなく、あたしの身体をすべり、溶かし続ける。

「あ……んっ……」

 少しづつ、少しづつ、身体が溶けていくような錯覚に陥る。

 そして、遊馬の手が、もっとも敏感なところにたどり着き、何の抵抗の感じないかのように滑り込んで。

「んっ」

 あたしは、熱い吐息を漏らしてしまう。

「……野明のここ、もうこんなにとろとろ」

「い、や……」

 わざと水音をたてて、奥を探るような遊馬の指。

 

 すると、あたしの身体の奥に小さな火が灯る。
 その火は、遊馬が指を動かすたび、少しづつ大きくなって、あたしの身体を焼き尽くしてしまう。



 時にはじりじりと。



 時には荒々しく。



「だ……め……とけ、ちゃ、う……」


 溶け始めたあたしの身体は、もう止まらない。

 

 指先から。

 つま先から。


 だんだんと感覚がなくなって。





 炎のような遊馬の手が。

 あたしの身体を溶けさせて。

 そしてあたしは、ろうそくのように、溶けて、燃え尽きる。